akshota0407の日記

自分自身が書きたいことや伝えたいことを書くブログです。

「最低限の校舎運営」と「教育業界で求められる三要素」

塾業界の仕事は大きく分ければ「校舎運営」「生徒指導」「募集活動」の3つにあてはまると思います。このブログでも、それぞれの観点で投稿をしてきました。例えば、アルバイトの育成や校舎の在り方については「校舎運営」、面談や授業については「生徒指導」、業界情報関連は「募集活動」にあてはまると言っていいでしょう。もちろん、完全に3分野に分類が出来るわけではなく、複合的に組み合わさる部分もありますが、分けるとすればこのようになり、塾業界で働く人にとっては、3つのバランスが取れていることが求められていると考えていいでしょう。具体的にお話をすれば、塾業界で働く人は、一般的に営業を苦手とする人が多くおり、授業だけをやっていればいいと考えてしまう人も実際にはいます。しかし、アルバイトであれば、そのような考え方でもいいかもしれませんが、職員になれば、会社が生き残っていくためには、生徒を集めるための営業も必要であり、そのバランスが求められることは分かっていただけだろう。

このような3つのバランスが必要であることをお話しましたが、実際には、ここには大前提を忘れてはいけないと私は思います。それは「最低限の校舎運営が出来る状態」であり、そうでなければ「生徒指導」や「募集活動」に時間を割くことは難しいでしょう。当たり前ではありますが、塾業界における根幹となる商品(授業)を適切に提供できることは最低条件であるからです。そのためには、人材の確保は必要となり、特に社員よりもアルバイトの方が多い業界特性を踏まえれば、アルバイトをいかに上手く動かしていくのかは必要不可欠な課題であることは分かっていただけるだろう。

このようなことを踏まえると、教育業界で働いている職員がアルバイトに無関心であったり、勤務をしてくれるのが当たり前のように感じている社員には、私は理解することが出来ません。残念ながら私の職場では多く存在しています。極端なことを言えば、アルバイトがストライキを起こすようなことがあれば、校舎運営に支障が起こること目に見えており、その結果として社員は「生徒指導」や「募集活動」に割ける時間を「校舎運営」に時間を費やされることになるのです。このように考えると、仮に「募集活動」が上手くいっていない理由の1つには、「校舎運営」が十分に機能されていない結果、募集活動に十分な時間を割くことが出来なかったことも原因とみることも出来るかもしれません。

このような「最低限の校舎運営が出来る状態」という大前提の中で、「校舎運営」「生徒指導」「募集活動」の3要素をバランスよく習得する必要があり、どれも欠けてはいけません。そのような意識をしていくことが教育業界では求められる人材だと私は思います。

早稲田大学・2025年大学入試改革

先日、早稲田大学は新学習指導要領の対象となる現在の高校1年生から、大学入試の変更点をホームページで公開をしました。今回は大きな変更点である「英語4技能試験」と「共通テストと大学独自試験の併用型」の2つの観点から、今後の早稲田大学の入試を紹介していき、読み解いていきたいと考えています。

① 英語4技能試験関連

英語4技能試験における変更点の1つ目は、文・文化構想学部の英語4技能テスト利用方式の募集人員を増加となり、文学部が50名から85名、文化構想学部は70名から110名に変更となります。文・文化構想学部は、現在の入試では昨年度の合格最低点から見ても、英語4技能利用テスト型の方が合格最低点の得点率が高く、4技能試験のスコアはクリアしていて、国語と社会で高得点を取れる人には向いていますが、あまり入試で有利と言えるものではありませんでした。今回の入試改革で募集人員が増えることで、英語4技能利用テスト型の難易度は緩和されるのか、注目ポイントになるでしょう。

2つ目の大きな変更点は、商学部の英語4技能テスト利用型を2025年度から募集停止になります。商学部の場合は、「英語4技能テスト利用型」と一般入試における「地歴・公民型」および「数学型」とは併願することは出来ないのが特徴で、どちらで出願をするのか選択しなければいけません。「英語4技能利用テスト型」は、準1級合格以上で出願することが出来るが加点されず、英検1級合格で5点加点されます。早慶レベルであれば、英検準1級合格をしている人は多くいるため、加点されないことからも、どちらに出願をしようかという難しい判断を迫られていました。実際に1年目は、英検準1級をもっている受験生でも、一般入試における利用型に流れることで、「英語4技能テスト利用型」がかなり倍率の面でも有利でした。一方で、2年目は大学の広報などもあり、かなり「英語4技能テスト」に流れる結果となり、今年で3年目を迎える商学部の入試はどのようになるのか注目のポイントとなりますが、2024年度入試で終了となります。受験生にとっては、一般入試型に一本化されることで、分かりやすい入試形態に変更となります。

② 独自入試型から共通テスト併用型に変更

早稲田大学では「共通テストと大学独自試験」の共通テスト併用型を始めて取り入れたのが、政治経済学部であり、今年の入試で3年目になります。このような動きは、他学部にも採用されることになり、2025年入試からは、新たに社会科学部と人間科学部においても、「共通テストと大学独自試験」の併用型に変更となります。

まずは社会科学部ですが、共通テストが120点満点(外国語・国語・選択科目がそれぞれ40点)、大学独自試験が120点満点(英語・数学または総合問題)の240点満点となっております。「共通テストと大学独自試験が均等配点であること」や「(予測にはなりますが)共通テストの方が得点が取りやすいこと」を考慮に入れれば、共通テストの重要性は高まっていくでしょう。また、総合問題は「社会における諸課題に関する文章を読み解き、論理的思考力および表現力を問う問題とします」と掲載されており、独自の対策が必要となるでしょう。なお、サンプル問題は2023年4月に公開予定とされています。

次に人間科学部ですが、現在の一般選抜は「文系方式」と「理系方式」を合わせて340名の募集枠としておりましたが、この入試改革では国英型を220名、数英型を120名として、それぞれに募集枠を設ける形に変更することになりました。配点は共通テストが60点満点、大学独自試験90点満点となります。(詳細の配点などは下記にあるブログを参考にしてください)今までは、絶対に早稲田大学に進学をしたいという人には併願先として、提示することが多かったのですが、入試形態が変わることで併用することが難しくなります。

このように見ていくと、今回の大学入試改革では「共通テスト」の重要性が高まっていくことになり、私大受験者は「共通テスト」と「大学独自問題」の対策を並行してやっていく必要性が高まっていくでしょう。このように書いていますが、もちろん「共通テスト」と「大学独自試験」の対策は共通する部分もありますが、現在の受験生と比べれば、やるべきことが増えることは事実であり、受験生の負担は増えるでしょう。一方で、大学側から見れば、「総合問題」や「共通テスト併用型」を積極的に行っている、上智大学青山学院大学は、受験者数が減少していることもあり、どのように受験者数を確保するのかも、大学にとって重要な課題になるでしょう。

ここまで、早稲田大学の入試における大きな変更点を見てきましたが、時代とともに入試を変えることは必要なことだと思います。しかし、受験生の負担が増え、大学受験の早期化が始まり、部活動や学校行事で忙しい高校生にとって、勉強だけに集中することだけがやるべきことではないと思います。例えば、最近の話題となっている「英語4技能型入試」も大学受験を早期化させ、高校2年生で受験するのが当然という認識になっております。このように、入試改革は必要だと思いますが、受験生にとって、本当にいい方向に向かっているのかは考えなければいけない議題とも言えるだろう。

【参考文献】

2025年 早稲田大学  大学入試変更点

早稲田大学・人間科学部【一般選抜改革】 - akshota0407の日記 (hatenablog.jp)

2025年度入試以降・慶應義塾大学 - akshota0407の日記 (hatenablog.jp)

総合問題に変更することの私立大学側のリスク - akshota0407の日記 (hatenablog.jp)

「絶対に」という言葉について

世の中にある事柄を予想するときには「絶対」という言葉はありません。当たり前のことを言っておりますが、これを分かってくれない人が多いような気がしています。教育業界で働く私にとって、今の時期は、まさに受験校を決める三者面談をしている時期になっています。そのときのエピソードを今回は紹介したいと思います。

受験校を決める面談で、保護者から聞かれる内容として、「これで安全校は絶対に大丈夫ですか?」や「この方式は昨年度と同じように絶対に倍率は下がりますか?」などと問われたりする。確実的なことを聞きたい気持ちも分からなくはないけど、そんなことが予測できるのであれば、受験はみんなが上手くいっているような気がする。こちらも「絶対に」と言われると、「はいそうです」とは言えないので、「昨年度のデータに基づいてお話をすれば、今年度も予測される」としか言い切れないのである。

話は少し脱線をしてしまいますが、私が「絶対に」という言葉を使ってきて、確実な答えを求めてきたり納得をされない方には、実際にデータを使って紹介することにしています。そのデータになるのが、早稲田大学商学部・4技能入試の倍率です。2021年からこの入試制度は始まり、昨年度で2年目となる入試方式です。2021年入試は倍率が3.2倍に対して、2022年入試は倍率9.7倍という結果になっています。これは、2022年には「昨年度が有利だったから、今年度も有利になるはずだ」と思って、出願者が増えたことが要因だと思われます。このことからも、「絶対に」ということは言えないことが分かるでしょう。

話を元に戻しますが、この「絶対」という言葉に守られている人もいるかもしれません。例えば、第1志望校と偏差値が現在15以上差がある場合には、なかなか合格をすることは難しいでしょう。このときに、「絶対に」とは言えないので「厳しい戦いになる」と言ったりして、私も言葉を上手に使う。それは、「絶対に合格できない」ということも分からないし、本人のモチベーションにもつながるので、保護者が応援をしているのであれば、そのような言い方はしません。それはある意味で「絶対に」という言葉で守られているのかもしれません。

さて今回は「絶対に」という言葉について述べてきましたが、他の業界でも多用されています。例えば、ダイエット食品や健康機器には「絶対に」を言い換えたのが「効果には個人差があります」と表記されています。このように、断定を避けるのが社会というものであり、そこには責任や保証が生まれるからでしょう。だからこそ、自分を守るために使用をして、他者から受け取るときには注意をする必要があると言えるでしょう。