akshota0407の日記

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歴史総合と大学入試

今回は、現在の高校1年生から始まる「歴史総合」という必修科目について、「どのようなことを学習するのか」や「大学入試にどのような影響をしていくのか」という内容で、まだ未確定な部分もありますが、述べてみたいと思います。

学習指導要領では、「歴史総合」という科目は、『近現代の歴史の変化に関わる諸事象について,世界とその中における日本を広く相互的な視野から捉え,資料を活用しながら歴史の学び方を習得し,現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史を考察,構想する科目』と位置づけられている。現在、高2生・高3生は、「世界史A」・「世界史B」の1科目が必須であり、「日本史A」・「日本史B」・「地理A」・「地理B」の1科目が必須となっています。(「日本史A」・「世界史A」は近現代のみを扱い、「日本史B」・「世界史B」は全範囲を扱います)学校によっては、高等学校では日本史を学習せずに卒業することが可能であり、日本史と世界史のつながりを意識して学習をすることが出来ておらず、別のものとして考えられていた。さらに、現代社会を生きるにあたっても、世界とのつながりを無視することが出来ない中で、グローバルな視点で物事を考えるためにも考え方を学ぶ必要性も高まっていることから、今回の学習指導要領で「歴史総合」という必須科目が生まれたのであった。

ここからは「歴史総合」という教科の扱う中身を見ていくと、ざっくり言えば日本史Aと世界史Aを融合した内容となっている。いわゆる近現代の日本史と世界史を扱うことになる。東進・河合塾の世界史講師である加藤先生によると(動画のリンクは参考文献にあります)、全体のうち世界史が7割を占めているそうなので、世界史に重点を置いた科目であるため、世界史の先生が教えた方が効果的であると述べられている。学校教育という観点で見れば、教員免許状は「地理歴史」と「公民」の2種類に分かれており、日本史と世界史を切り分けて免許は総残胃しないことから、免許状の問題はありませんが、「日本史と世界史を切り分けて学んできたこと」や「大学の専門においても区別されていることが多いこと」を考慮に入れると、専門知識をもって、指導することには限界があるように思います。このようなことを踏まえて、日本史と世界史を別の先生が教える学校も出てくるとは思いますが、教科横断的に学習することを目的とした「歴史総合」という本来の目的を達成するためには、教員間の連携も必要になるでしょう。このように考えると、「歴史総合」という教科は、教える側にも大きな課題がある中で始まっていることも現状です。

さてここからは「歴史総合」と「大学入試」についてお伝えをしていこうと思いますが、ほとんど決まっていることがないため、現状の課題点を述べていきます。

大学入試の「歴史総合」という科目の課題点は、大学入試でどのような位置付けになるかということです。例えば、現状の共通テスト「日本史A」や「世界史A」のような扱い(ほとんどの国公立・私立大学では近現代のみを扱う「日本史A」または「世界史A」ではなく、「日本史B」または「世界史B」を使用する)になれば、共通テストで使用をすることは、ほとんどありません。さらに、私立大学・文系の一般入試では、新課程では「日本史B」の代わりとなる「日本史探求」、世界史Bの代わりとなる「世界史探求」のどちらかを選択することになりますが、これらの教科にプラスして必修の「歴史総合」も試験範囲として課すのかも発表されていません。このように見てみると、まだ未確定な部分が多く存在していることが分かります。

一方で、「歴史総合」という教科になることで、青山学院大学  法学部・国際政治学部・総合文化政策学部の入試では「総合問題」という出題形式で、試験範囲に「近現代の日本史・世界史」が含まれています。このような出題は、大学入試計画が前倒しされていて、現在の受験生には対策が難しいですが、現在の高校1年生からは横断的に学習することが学校で出来るようになります。大学入試がゴールであるとは言いませんが、このような大学入試にも恩恵を受ける人もいるでしょう。(他の大学もこのような動きが加速するとは考えにくいですが)このように大学入試においては、未確定な部分も多いので、今後も注目する必要がありそうです。

今回は「歴史総合」という教科について述べてきましたが、課題点や未確定な部分も多い中で始まっているのは言わざるを得ないでしょう。「歴史総合」という教科は、「日本史」と「世界史」を同時に学習することで、つながりをもって学習するよい手段だとは思います。しかし、現場の教員が追い付いていなかったりすれば、学習をする高校生に迷惑をかけることになるのです。どんなことであっても、理想を言うことは誰でもできます。本当に大切なのは、それを実行に移したり、解決する手立てを立てることが必要であり、責任があるものが理想だけ言うのは違うのではないでしょうか。

【参考文献】

歴史総合・共通テスト・サンプル問題 abm.php (dnc.ac.jp)

資料1-2 教科の構成のポイント (mext.go.jp)

(289) 2022年4月から始まる歴史総合を東進で担当の加藤先生に聞いてみた - YouTube