akshota0407の日記

自分自身が書きたいことや伝えたいことを書くブログです。

「絶対に」という言葉について

世の中にある事柄を予想するときには「絶対」という言葉はありません。当たり前のことを言っておりますが、これを分かってくれない人が多いような気がしています。教育業界で働く私にとって、今の時期は、まさに受験校を決める三者面談をしている時期になっています。そのときのエピソードを今回は紹介したいと思います。

受験校を決める面談で、保護者から聞かれる内容として、「これで安全校は絶対に大丈夫ですか?」や「この方式は昨年度と同じように絶対に倍率は下がりますか?」などと問われたりする。確実的なことを聞きたい気持ちも分からなくはないけど、そんなことが予測できるのであれば、受験はみんなが上手くいっているような気がする。こちらも「絶対に」と言われると、「はいそうです」とは言えないので、「昨年度のデータに基づいてお話をすれば、今年度も予測される」としか言い切れないのである。

話は少し脱線をしてしまいますが、私が「絶対に」という言葉を使ってきて、確実な答えを求めてきたり納得をされない方には、実際にデータを使って紹介することにしています。そのデータになるのが、早稲田大学商学部・4技能入試の倍率です。2021年からこの入試制度は始まり、昨年度で2年目となる入試方式です。2021年入試は倍率が3.2倍に対して、2022年入試は倍率9.7倍という結果になっています。これは、2022年には「昨年度が有利だったから、今年度も有利になるはずだ」と思って、出願者が増えたことが要因だと思われます。このことからも、「絶対に」ということは言えないことが分かるでしょう。

話を元に戻しますが、この「絶対」という言葉に守られている人もいるかもしれません。例えば、第1志望校と偏差値が現在15以上差がある場合には、なかなか合格をすることは難しいでしょう。このときに、「絶対に」とは言えないので「厳しい戦いになる」と言ったりして、私も言葉を上手に使う。それは、「絶対に合格できない」ということも分からないし、本人のモチベーションにもつながるので、保護者が応援をしているのであれば、そのような言い方はしません。それはある意味で「絶対に」という言葉で守られているのかもしれません。

さて今回は「絶対に」という言葉について述べてきましたが、他の業界でも多用されています。例えば、ダイエット食品や健康機器には「絶対に」を言い換えたのが「効果には個人差があります」と表記されています。このように、断定を避けるのが社会というものであり、そこには責任や保証が生まれるからでしょう。だからこそ、自分を守るために使用をして、他者から受け取るときには注意をする必要があると言えるでしょう。