今回は先日公開された「早稲田大学(2025年度)」入試結果から、2025年度から英語4技能試験の募集枠が増えたことで(文学部は50名から85名、文化構想学部は70名から110名)、入試にどのような影響を与えたのかを分析していきたいと思います。この4技能利用入試に関しては、賛否両論があった入試であった。その理由として、この4技能利用入試は2024年度以前も合格者最低点の得点率が英語4技能試験の方が一般選抜(大学独自試験のみ)よりも高く、一般入試の英語は免除になるが、国語と社会で一般選抜のみの受験生よりも得点を取らなければいけなかったことから、大学独自試験レべルの英語には対応が出来ないけど、英語4技能試験の基準はクリアしている限定的な受験生に有利であった。今回の英語4技能試験の募集枠が増えたことで、入試難易度が解消されているかを見ていきたいと思います。一方で、一般選抜(大学独自試験のみ)の募集枠は文学部は340名から260名、文化構想学部は370名から330名と募集枠を減らしたことによる動向も合わせて分析をしていきたい。このように単純に見ると、英語4技能試験が昨年度よりも有利になったと見れそうではあるが、実際の入試結果を用いて、どのような結果をもたらしたのかを分析をして、次年度の入試に向けた考察をしていきたいと思います。
今回のお話をする前に、早稲田大学文・文化構想学部の英語4技能テスト利用型について説明をしておくと、TEAPや英検などでReading、Listening、Writeing、Speraking、総点の基準をそれぞれ満たしているときに、英語の個別試験が免除となり、大学独自試験の国語(75点)、地歴(50点)で合否判定をする入試となっています。基準点に関しては、例えば英検であれば、総点が2200点以上で、それぞれの4技能が500点以上が基準となっていて、英検準1級合格点が2304点となっているので、英検準1級相当の点数で出願が出来ると言えます。早稲田大学を目指す受験生からすれば、難易度がかなり高いというわけでもないことや一般入試(大学独自試験のみ)と併願がすることが出来ることもあり、出願者も多いのが特徴的な入試になっています。(詳細はこちらのブログに掲載:早大(文・文構・商)・4技能利用入試 - akshota0407の日記)
ここからは本題の各学部について見ていきましょう。まずは、文学部になりますが、英語4技能試験(国語:75点、地歴:50点の125点満点)と一般選抜(英語:75点、国語:75点、地歴:50点の200点満点)の合格者最低点の得点率を比較すると、2024年度は一般選抜65.2%、4技能利用試験 67.6%、2025年度は一般選抜67.2%、4技能試験68.4%という結果であった。得点率から見ると、今年度も昨年度と同様に一般選抜の合格者最低点の方が低いことから、昨年度と大きく傾向は変わっておらず、早稲田レベルの英語は得点が難しいが、国語と地歴が得意な受験生にとって有利な入試であるため傾向は変わっていない。この数値を見てしまうと、このような結果になりますが、本当は大学側はもう少し難易度を下げたかったのではないかと考察ができる点があります。その理由は、昨年度と今年度の4技能利用型の受験者数を比較すると、2307名から3145名と838名受験者数が増えており、受験生の心理としては、募集枠が増えるとなれば出願をする心理になりますので、おそらくここが想定外以上の受験者がいたのではないかと考えられます。以上のことを踏まえると、今回の入試変更で英語4技能試験において「受かりやすさ」は、昨年度以前のデータからは数値的には見られませんでした。
しかし、一般選抜(大学独自試験)と比較をすると、この4技能試験の重要性も見えてきます。実際に一般選抜(大学独自試験)の受験者数を昨年度と比較をすると、7330名から7954名となり624名増加をして、募集枠が減ったこともあり、倍率が7.8倍から10.0倍になりました。これは、社会科学部や人間科学部が今年度から一般選抜を共通テストを必須化することにより、大学独自試験のみの学部における併願者が増えて、受験者が増えた要因ではないかと分析することが出来るでしょう。このように見ていくと、大学独自試験のみは昨年度よりも「受かりにくい」状態になっていることは言えるでしょう。このようなことを踏まえれば、今年度の英語4技能利用型が募集枠の増えたことによる限定的な受験生の増加だと仮定をすれば、英語4技能利用型入試は有利にはたらく入試とも言えるでしょう。まだ入試データが1年分しかないので、予測は難しい部分もありますが、今後の動向には注目をする必要があるでしょう。
次に文化構想学部になりますが、文学部と同様な傾向が見られるが、実際に数値を用いて説明をしてみよう。まずは、合格最低点得点率を用いて比較をしていくと、2024年度は一般選抜65.8%、4技能利用試験 67.2%、2025年度は一般選抜66.8%、4技能試験67.6%という結果で、文学部と同様に4技能利用試験の方が得点率が高い結果となっており、英語4技能利用入試の難易度が下がったとは言えません。また、4技能利用試験の受験者数は昨年度と今年度を比較すると、2355名から3139名と784名増加していることも、難易度が下がったと言えない要因となっている。さらに、文化構想学部の大学独自試験のみ入試に関しても、昨年度と今年度を比較すると、6618名から6991名と373名増加をして、募集枠が減らされたこともあり倍率は8.5倍から10.0倍に増加をしている。以上のことを踏まえると、文化構想学部も文学部と同様に、今年度の入試では昨年度と比べて、4技能利用入試の難易度は変わっていないが、大学独自試験のみの入試は難易度は上がっていると推論することは出来るだろう。
全3回にわたって、早稲田大学の2025年度入試を入試制度や募集枠が変更をした学部を中心に分析をしていきました。今回の入試から文系学部で共通テストと大学独自試験入試を課すようになった社会科学部(2223名減(昨年度比:74.9%))・人間科学部(1832名減(昨年度比:71.8%))の2学部は昨年度出願者数を大幅に減少をしましたが、従来通りの大学独自試験入試を行っている文学部(1904名増(昨年度比:117.0%))・文化構想学部(1530名増(昨年度比:114.7%))・法学部(409名増(昨年度比:109.4%))・商学部(860名増(昨年度比:107.9%))は出願者数を増やしています。入試方式における出願者数の二極化が起きており、今後の動向は注目をするポイントになるかもしれません。
【関連ブログ】
2025年度入試を振り返る(早稲田大学 社会科学部) - akshota0407の日記
2025年度入試を振り返る(早稲田大学 人間科学部) - akshota0407の日記
【参考文献】