akshota0407の日記

自分自身が書きたいことや伝えたいことを書くブログです。

なぜ地方女子は東大を目指さないのか

教育格差についてはたびたび議論される話題で、塾業界で働いている人にとっては相容れない考え方とも言える話題です。その理由としては格差を生み出している要因は塾業界にあるという見方が出来るからです。実際に塾業界では、親が自分の子どもに対して「よりよい教育を受けさせたい」や「少しでもよりよい中学・高校・大学に行って選択肢を増やしてほしい」といった気持ちから、格差を生み出し、子どもに投資をすることで成り立っていることは否定することは出来ないでしょう。このように塾業界と教育格差は対立の存在となっていますが、今回はある動画をきっかけに「教育格差」について考えるきっかけがありましたので、ブログを書いてみたいと思います。

今回、教育格差に関して考えるきっかけになったのは、YOUTUBEのPIVOT公式チャンネル「【親の一言と「子どもの大学受験」】教育分野のジェンダーギャップ解消に取り組むYourChoiceProject/地方女性の難関大受験が難しい理由/「理系=医学部」認識【PIVOT TALK】 (youtube.com)」の動画がきっかけでした。この動画では、地方女子が東大をはじめとする都心の最難関大学に進学をしないのかを客観的なデータに基づいて分析をされています。この話を聞くと、当たり前のことを調査しただけではないかと思われてしまうかもしれませんが、感覚的に違いがあることを、実際に調査を実施することで客観的に可視化することが出来たことに大きな成果があると思います。さて、話は少し脱線をしてしまいましたが、この調査で浮き彫りになってきた大きな要因として挙げられている1つには、教員や保護者の大人からの影響力や都心部に行く地方女子が少なくロールモデルがほとんどいないことが要因として述べられています。実際に私の経験でもありますが、地方の校舎で勤務をしていたときに、高校3年生の受験校面談では、女子生徒の親からは「浪人はさせたくないので、現役でそこそこの大学に進学をさせたい」という要望をよく見受けられます。もちろん、浪人を肯定しているわけでもありませんが、本人の意志と家庭の方針がミスマッチをしている場合は、最終的に決める権限があるのは親であることからも、保護者の影響力は大きいことは確かでしょう。また、私の経験だけではなく、動画では筆者独自が調査をした「浪人肯定度」に関して、「地方女子、地方男子、首都圏女子、首都圏男子」で比較をしており、地方女子が浪人肯定度が低いことが示されています。さらに、地方女子は資格取得を重視する割合も高く、そのため理系であれば医学部や薬学部に進学する割合が高い傾向にあり、結婚や出産などのライフイベントに備えて資格を重視する考え方が根底にあり、職業選択のロールモデルが少ないことも原因として考えられています。このように問題を分析してみると、塾業界で働く社員という立場では、家庭の教育方針であるから何もすることが出来ないので、考える意味がないのではと思うかもしれません。しかし、社会全体でこのような考え方を是正することは重要で、このように立証をしていったことには意義があるように私は思います。

さて、ここまで「なぜ地方女子は東大を目指さないのか」を紹介していきましたが、他にもさまざまなデータを用いて、動画や本(なぜ地方女子は東大を目指さないのか (光文社新書 1325) | 江森 百花, 川崎莉音 |本 | 通販 | Amazon)を確認していただきたいのですが、ここからは私の個人的な考えや感じたことを伝えていきたいと思います。唐突ではありますが、みなさんはどうしたら「地方女子が東大を目指すようになるのか」という問いに対して、どうしたら解決すると考えるでしょうか。このことを達成するための1つとして、地方女子が東大などの最難関大学に入れるように地方女子枠を設けたらよいのではと考える方もいるかもしれません。しかし、私は根本的な解決にはなっていないように思います。実際に、大学は単なる通過点であり、地方女子に限らず女性が社会に出たときに活躍ができる体制を整えることも含まれてからです。実際に日本は2024年のジェンダーギャップ指数は146カ国中118位であり、G-7の中でも最下位という実態であり、この問題は「地方女子が東大を目指さない」原因には、社会全体を改善していく必要があります。その結果として、子どもに影響力のある保護者や教師などの考え方が変わることで是正をしていくと思います。そのためには、まずはこの現状を多くの人が知り、社会全体が変わっていくことや今までの固定概念ではなく広い視野で物事を考えるチカラこそが私たちが現在の出来る唯一のことだと私は感じました。

【参考文献】

なぜ地方女子は東大を目指さないのか (光文社新書 1325) | 江森 百花, 川崎莉音 |本 | 通販 | Amazon

【親の一言と「子どもの大学受験」】教育分野のジェンダーギャップ解消に取り組むYourChoiceProject/地方女性の難関大受験が難しい理由/「理系=医学部」認識【PIVOT TALK】 (youtube.com)

思考力に関する問題(シェリルの誕生日)

今回は「思考力」を使った入試問題を題材にブログを書いてみたいと思います。今回扱う問題は、2024年青山学院大学・教育人間科学部・心理学科・小論文の試験で出題された入試問題で、小論文の試験とされていますが、与えられた条件から誕生日を推論する問題であり論理的思考力を必要とする問題でした。実はこの問題は、2015年 シンガポール&アジア数学オリンピックで出題されており、シェリル(Cさん)が友人のアルバート(Aさん)とバーナード(Bさん)という設定であることから、シェリルの誕生日として有名な問題です。それでは、まず問題を見ていくことにしましょう。

次の文章を読んで、後の設問に答えなさい。

AさんとBさんは、Cさんの誕生日を知りたいと思っています。Cさんは、自分の誕生日をAさんとBさんに当ててもらうために、以下の候補日を提示しました。

5月15日、5月16日、5月19日

6月17日、6月18日

7月14日、7月16日

8月14日、8月15日、8月17日

そのうえで、Cさんは、Aさんには「月」の正解だけを、Bさんに対しては「日」の正解だけを教えました。Aさん、Bさんは、互いにその正解を教え合うことはできません。そのうえで、AさんとBさんのあいだで、次のような会話が交わされました。

Aさん:「私はCさんの誕生日がまだわかっていないけれども、BさんもCさんの誕生日がまだ分かっていないことは分かっています。」

Bさん:「最初は、Cさんの誕生日が分かっていなかったけれども、Aさんの発言を聞いて、いま分かりました。」

Aさん:「それならば、私もCさんの誕生日が分かりました。」

さて、Cさんの誕生日は、10通りの候補のうちの、どの日だったのでしょうか。

【出典 2015年 シンガポール&アジア数学オリンピック(SASMO)】

設問  Cさんの誕生日を答えなさい。

 

【解答・解説編】

Aさん(「月」の正解)とBさん(「日」の正解)の会話内容を整理すると以下のようになる。

読者のみなさんは問題を解くことは出来ましたか?なかなか面白い問題と感じた方もいれば、こんな問題を大学入試にするのはどうなのかと疑問をもつ方もいるかもしれません。また、受験生は、このような問題に慣れていない人が多いと思われます。その理由として、今までの大学入試は知識を中心とした出題であったので、このような思考力に関する勉強が手薄くなっているため、仕方がありません。そんな中で、新課程入試により、共通テストも大きく変わり、上智大学青山学院大学をはじめとした大学では、学部によって出題科目が異なっており、なかなか今までの教科学力では対応が出来ない入試が増えています。実際に、今年度から早稲田大学でも社会科学部や人間科学部を中心として大きく入試が変わります。このことをネガティブに捉える方もいますが、個人的には、時代が変われば、社会で必要とする学力やスキルも変わっていくため、変化することは必要だと思います。しかし、あくまでもこの制度を決めているのは大人であり、受験生が犠牲者にならないように、この変化をちゃんと情報を公開することは必要であり、大学が行わなければいけない義務とも言えるでしょう。少し話が脱線をしてしまいましたが、大学受験の勉強が社会人になって役立つことは残念ながら少ないですが、このような問題に関する物の考え方や見方は役に立つかもしれません。そんなことを考えていくと、この問題から学べることも多いことに気付けるのではないでしょうか。

教育と過度な競争

今回はたびたび議論になる「教育と競争」を題材にブログを書いてみようと思います。塾業界で働く人にとっては、少しでもよい志望校に合格をさせることが本人のためであり、会社のためであると考えることが多いだろうし、競争があるからこそ成り立っている業界であることは間違えないだろう。一方で、学校教育という観点で見れば、小学生で順位を付けない徒競走があったり、石川県では学力テストで成績公表を中止する動きもあります。このように「教育と競争」は、過度な競争は否定的な意見もある中で、受験や社会人になれば他人と競争することは生まれることから、過度に気にする必要はないのではと肯定的な意見をもつ方もいるでしょう。今回は「教育と過度な競争」に関して、3つの観点からそれぞれのメリットとデメリットを述べていきたいと思います。

1つ目は、「子どものモチベーション」という観点で議論をしていきましょう。まずは具体的な事例で考えると、子どもがテストの結果を親に見せたときを想定しましょう。多くの人が、自分の子どもと平均点を比較をして考えて、どのくらい出来ているかを判断することで、出来ていると判断すれば、褒めたりするでしょう。つまり、このことは到達度評価ではなく相対評価で物事を考えていることになります。その結果、大人が相対評価で判断をすることから、子どもが同じような思考になり、競争を生んでいるように思います。もちろん、競争の影響によって、他人に負けないように頑張るというモチベーションにつながれば、教育と競争はメリットにつながるでしょう。しかし、他人と比較をすることで、自分があまりにも出来ていないことが数値化されれば、諦めてしまうこと場合もあるでしょう。このような場合には、何が出来ているのかの内面を見てあげることが重要になり、競争が逆効果になることもあることは考慮に入れないといけないことになるでしょう。

2つ目は、「子どもの個性」という観点で議論をしていきましょう。勉強が出来ることも子どもの個性であり、評価されるべきことであるという考え方もあるでしょう。そのときには、勉強の場合は、数値化されることで評価をされるため、競争が生まれているという見方も出来ます。もちろん、勉強以外に関しても、「リーダーシップがある」や「足が早い」などのさまざまな観点で評価をされる必要があり、子どもたちそれぞれの個性をお互いに認め合うことが大切になるでしょう。過度な競争まではいかなくても、個性を評価するためには、競争も一定線までは必要という見方も出来るでしょう。

3つ目は、「社会と競争」という観点で議論をしていきましょう。AbemaTVでも紹介がありますが、社会に出たら競争は避けては通れない道であり、学校教育や受験のように必ずしも数値化されていない状況で競争をすることになることも理解をしなければなりません。さらに、就職活動では学歴による選抜を一定線までは行われていることは、否定をせざるを得ない実態でしょう。また学歴以外でも、能力以外の外見や親のコネなどの自分にどうすることも出来ない観点で競争が生まれいることもあるでしょう。社会に出ていく中では、競争をなくすことは出来ないことを考えると、早い段階から競争を経験していくことは教育として重要であるという見方も出来るでしょう。

今回は3つの観点でお話をしましたが、自分が競争に対しては一定線までは必要であるという考えをもっているので、競争に対して賛成の立場で意見を述べてきた部分も多かったと思います。過度な競争を幼少期に行うことは否定的ですが、小学校の高学年頃からは、他人と比べた自分の特性を知ることで自己理解につながるため、競争は必要となってくるでしょう。このように考え売ろ、教育と競争は「目的に合わせて時期」を判断することが大切になってくるでしょう。また、競争は他人と比較をして行われるものであるため、他人と比べて自分の欠点を知って終わりではなく、「そこから自分の強み」や「どのように行動をしていくのか」などの自己を見つめ直すことが何よりも重要でしょう。そのための教育を施すことが「教育と競争」をマッチングするために必要なことだと考えています。

【参考文献】

【教育と競争】学力テストで成績公表を中止?「過度な競争に繋がる」教育のあり方を考える|アベプラ (youtube.com)

ダメ親の教育「先に手を貸す」「宿題の促し」「周りに合わせる」「比較する」。あなたは大丈夫?"我が子をつぶす7つの行為"【高濱正伸×大空幸星 加藤浩次】 - YouTube