別のブログを書いているときに、ある塾の合格率を見たときに「(ウソはついていないと思うけど)合格率の算出方法は怪しいな」と感じたことがあったので、今回は「合格率」をテーマにブログを書いてみたいと思います。塾関係者がこのようなことを書いてはいけないのかもしれませんが、今回は算出方法という観点で「定義の問題」と「率の問題」の2つの観点で「東京大学の合格率」をテーマにみていきます。
まず1つ目は「定義の問題」ですが、「東京大学の合格率」と言ったときに、どのような定義をするかということです。例えばある塾のサイトでは「東京大学合格者14名(合格率40%)」とあり、合格率は定義されていませんでした。合格率を提示する塾側は、「合格者数が少なかった場合に受験者数が少なかった」ことをアピールするために合格率を提示しているケースが多く、少しでもよい数値を見せるためには、「合格者/東大受験者(※当日受験をした人)」と定義すると思います。おそらく多くの塾は合格率と言えばこのように定義していると思われますが、ここで考えたいのは「分母の東大受験者」は多くの人がこのように定義するだろうと考えていることです。しかし、東京大学の場合は「共通テストと個別学力試験」の2段階で合否を出しているため、1段階の共通テストで合格しなかった生徒や出願を取りやめた受験生は含まれていないことになります。ここで考えたいのは、「東京大学の合格率」と言葉を聞いて定義できるのは他にもあり、「合格者/第1志望校が東大であった生徒(共通テスト受験前)」、「合格者/東大出願者(※1次試験不合格者を含む)」と言ったように、合格率という言葉が実に曖昧であるということが分かるでしょう。また、多くの場合は合格率の数字が高い場合が多いため、そこだけに目がいってしまい、定義の曖昧さに気付かずに、合格率という指標だけで、解釈をしてしまっているケースも多いのではないかということに問題があります。
次に考えたいのは「率の問題」です。これはみなさんの経験もありますが、「全体数の分母が小さければ小さいほど1つあたりの率は上がる」ことは直観的に分かると思います。例えば、受験者が5名で合格者が4名であれば合格率は80%となります。もっと極端に言えば、受験者が3名で合格者が3名であれば合格率は100%となります。このように見ると、合格者数よりも合格率の方が数字が大きく目立ちます。また、受験者数を提示しなくても算出できてしまうトリックがあると言ってもいいでしょう。さらに、塾の場合でより厄介になるのは特待制度であり、特待生も含まれて算出されるとなれば、塾の合格実績をかなり複雑になっていきます。
ここからは少し脱線をしますが、具体的な事例をお話をすると、私が大学生のときに働いていた塾では「県立高校合格率:100%(※ほとんどの生徒が私立ではなく県立に進学をする地域)」と合格実績のチラシに掲載がされていましたが、本部長から教室長に「これはいつの時点のこと」と問われていました。これもまさに言えることで、ほとんど県立に行く地域であれば、自分の内申点を見て最終的に合格可能性がより高い高校を選択する地域であれば「合格者/出願者」は意味のない数字になります。このように数字に惑わされないことも重要と言えるでしょう。
今回は合格率をテーマに書いていきましたが、世の中には怪しい算出方法の指標はたくさんあると思います。例えば、満足度調査のときに4段階で「非常に満足」「ほぼ満足」「少し不満」「不満」に調査をすると、満足度を「非常に満足」と「ほぼ満足」を合計しているのも言えるでしょう。このように数字だけに着目をするのではなく、定義に戻って考えることは騙されないためにも重要なことだと言えるのかもしれません。
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