誰かと出会うことがあれば、必ず別れも訪れる。そんな当たり前のことで、誰でも分かっている。別れを選択しなければ、過去に縛られすぎて、前に進めないのも分かっている。しかし、理屈では分かっているけど、感情はそんな簡単に納得はしてくれない。このように考えてみると、別れを切り出すタイミングは、本当に難しいように思えてくる。今回はそんな恋愛の話を書いてみようと思う。
この話は、共に私の友人であるAさんとBくんが付き合い始めてから別れるまでのエピソードである。去年のクリスマスイブは、イルミネーションを見たり、Bくんの家でクリスマスパーティをするほどの仲が良かった2人が、1月には別れてしまった。Bくんが一方的に別れたいという形で、別れることになってしまった。この話は、Aさんとはバイト先が同じことであり、ある程度の理由を聞いていたが、Bくんとはなかなか会うことが出来なかったので、片側の意見しか聞けなかったので真相を知りたかった。そこで、久しぶりにBくんと会って、別れた理由や2人で最後に会った日について、聞いてみることにした。
そこには、別れたくないAさんと別れたいBくんのせめぎ合いがあった。Bくんの別れたい理由は、「自分と価値観が合わないこと」や「Aさんのきっちりしたところに自分が合わないこと」を挙げていた。さらに、Aさんがきっちりしている性格から、相手に合わせようとしていて、自分が無理をしていたことを実感しているようだった。そこで、このまま長く続けても意味がないと感じて、別れを切り出したのだと言っていた。一方で、Aさん側から聞いたときには、「ちゃんとした理由を聞いていないこと」や「別れたら友達に戻ることはないこと」を言われたらしい。その時は、精神的なダメージを追っていたし、もう少し関係性を保ちたいという気持ちがあったのだろう。どちらの意見にも共感できる部分は自分自身はあるし、どちらの意見も間違えではないし、正しいとも言えない。だからこそ、恋愛というのは難しいのかもしれない。
私はAさんとBくんが付き合い始めて、羨ましい気持ちもありながら、第三者目線で話を聞いたりしていた。こんな立場で恋愛を見ることが出来ないと思って楽しんでいた部分もあったけど、この恋愛が生んだものは何なのかは考えてしまう。もちろん、楽しかった時間もお互いにはあったと思うけど、最後に残るのは「別れ」という切ない思い出だとしたら、人々は何のために恋愛をしているのかという疑問が残るのであった。