akshota0407の日記

自分自身が書きたいことや伝えたいことを書くブログです。

教育業界とゴールデンウィーク

「今年のゴールデンウィーク」は、一般的には4月29日(金)~5月8日(日)を指すことになり、5月2日(月)・6日(金)を休むことが出来れば、最大9連休を取れるようになる。一方で、私が働いている塾では、ゴールデンウィークでも、通常授業が行われているため、土・日・祝日の回数がお休みであるため、振休扱いとなっております。その理由には、4月中旬から1学期が開講したので、「ペースを乱さないようにするため」という生徒目線もありますが、「授業回数の担保」も運営側面ではあるでしょう。今回は教育業界とゴールデンウィークについて書いてみようと思います。

このように私の勤務しているところでは、ゴールデンウィークも営業をしておりますが、教育業界全体を見ると「開室している塾」よりも「閉室している塾」の方が多いように思われます。また閉室している塾の中でも、特別講座を設置することで、一部開室している校舎もあるとは思われますが、少数派のように思います。今回は、ゴールデンウィークを閉室にする背景を運営の立場から、述べてみたいと思います。

1つ目は、「ゴールデンウィークは長期休暇を取りやすいこと」になります。業界全体の流れを1年という長期期間で考えたときに、夏休みのお盆シーズンには受験生を対象に、合宿や集中特訓などを設置したり、年末年始には直前講習を設置することを考えると、比較的落ち着いてるゴールデンウィークは休暇が取りやすいことが言えます。さらに、どこの塾においても、3月~4月は新年度になるため、募集に強化する時期という位置づけになっていることが多くありますが、5月になると落ち着くことも背景としてはあるでしょう。他にも「ゴールデンウィークは約1週間お休みなので、日程調整がしやすいこと」にあります。多くの塾・予備校では、「毎週何曜日のこの時間」と固定で組まれていることが多いため、1週間お休みにできるゴールデンウィークは、振替処理などの手間も省くことが出来るので運営上の側面もあります。このようなスケジュールという面でゴールデンウィークをお休みにする背景が1つにはあるでしょう。

2つ目は、「アルバイトの人員確保の難しさ」があります。大学生のアルバイトを軸に運営している個別指導塾などでは、ゴールデンウィークはシフトが埋まらないことに陥りがちです。もし授業を行うことになれば、社員はシフトを埋めることにも、労力をかけることになり、仕事の負担も増えるので、どちらかを天秤にかけたときに、閉室にするような背景もあるでしょう。さらに、人員という要因で言えば、「社員数が極端に少ないこと」も要因としてあります。この業界は、みなさんが思っている以上にアルバイトで成立をしている業界です。その理由には、17時~22時などの短時間に集中的に人を必要としていることにも背景にあるでしょう。実際に、社員が2名で校舎を運営をしている場合、祝日をどこかで振休をした場合、ワンオペになる割合が増えます。社員がワンオペになれば、休憩を取ることも難しくなるので、ゴールデンウィーク期間をお休みになれば、そのようなリスクを避けられるという理由もあるでしょう。さらに、今年のように9連休にすれば、平日になっている5月2日(月)・6日(金)も閉室にすることが出来るので、ワンオペになる割合も減らすことが出来ます。このように社員の人員問題も大きく関わっています。以上のことを踏まえると、人員確保という面でゴールデンウィークをお休みにする背景が1つにはあるでしょう。

このように書いてきましたが、ゴールデンウィークをお休みにする理由には、教育業界が抱える問題も複雑に絡み合っているでしょう。もちろん、閉室しているところを開室にもっていく動きに賛同をしているわけではありません。一方で、顧客のためを追求すれば、ゴールデンウィークも自習室を開室するべきだと考える人もいるかもしれません。しかし、教育業界に限りませんが、サービス業は「顧客のために追求をする終わりのない仕事」であることは事実であり、何でもかんでも「顧客のために」という視点は自分を苦しめることになるでしょう。そんなことも踏まえた上で、物事を考える姿勢や優先順番を考えて、時には捨てる勇気も必要であることを認識する必要があるのではないでしょうか。

歴史総合と大学入試

今回は、現在の高校1年生から始まる「歴史総合」という必修科目について、「どのようなことを学習するのか」や「大学入試にどのような影響をしていくのか」という内容で、まだ未確定な部分もありますが、述べてみたいと思います。

学習指導要領では、「歴史総合」という科目は、『近現代の歴史の変化に関わる諸事象について,世界とその中における日本を広く相互的な視野から捉え,資料を活用しながら歴史の学び方を習得し,現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史を考察,構想する科目』と位置づけられている。現在、高2生・高3生は、「世界史A」・「世界史B」の1科目が必須であり、「日本史A」・「日本史B」・「地理A」・「地理B」の1科目が必須となっています。(「日本史A」・「世界史A」は近現代のみを扱い、「日本史B」・「世界史B」は全範囲を扱います)学校によっては、高等学校では日本史を学習せずに卒業することが可能であり、日本史と世界史のつながりを意識して学習をすることが出来ておらず、別のものとして考えられていた。さらに、現代社会を生きるにあたっても、世界とのつながりを無視することが出来ない中で、グローバルな視点で物事を考えるためにも考え方を学ぶ必要性も高まっていることから、今回の学習指導要領で「歴史総合」という必須科目が生まれたのであった。

ここからは「歴史総合」という教科の扱う中身を見ていくと、ざっくり言えば日本史Aと世界史Aを融合した内容となっている。いわゆる近現代の日本史と世界史を扱うことになる。東進・河合塾の世界史講師である加藤先生によると(動画のリンクは参考文献にあります)、全体のうち世界史が7割を占めているそうなので、世界史に重点を置いた科目であるため、世界史の先生が教えた方が効果的であると述べられている。学校教育という観点で見れば、教員免許状は「地理歴史」と「公民」の2種類に分かれており、日本史と世界史を切り分けて免許は総残胃しないことから、免許状の問題はありませんが、「日本史と世界史を切り分けて学んできたこと」や「大学の専門においても区別されていることが多いこと」を考慮に入れると、専門知識をもって、指導することには限界があるように思います。このようなことを踏まえて、日本史と世界史を別の先生が教える学校も出てくるとは思いますが、教科横断的に学習することを目的とした「歴史総合」という本来の目的を達成するためには、教員間の連携も必要になるでしょう。このように考えると、「歴史総合」という教科は、教える側にも大きな課題がある中で始まっていることも現状です。

さてここからは「歴史総合」と「大学入試」についてお伝えをしていこうと思いますが、ほとんど決まっていることがないため、現状の課題点を述べていきます。

大学入試の「歴史総合」という科目の課題点は、大学入試でどのような位置付けになるかということです。例えば、現状の共通テスト「日本史A」や「世界史A」のような扱い(ほとんどの国公立・私立大学では近現代のみを扱う「日本史A」または「世界史A」ではなく、「日本史B」または「世界史B」を使用する)になれば、共通テストで使用をすることは、ほとんどありません。さらに、私立大学・文系の一般入試では、新課程では「日本史B」の代わりとなる「日本史探求」、世界史Bの代わりとなる「世界史探求」のどちらかを選択することになりますが、これらの教科にプラスして必修の「歴史総合」も試験範囲として課すのかも発表されていません。このように見てみると、まだ未確定な部分が多く存在していることが分かります。

一方で、「歴史総合」という教科になることで、青山学院大学  法学部・国際政治学部・総合文化政策学部の入試では「総合問題」という出題形式で、試験範囲に「近現代の日本史・世界史」が含まれています。このような出題は、大学入試計画が前倒しされていて、現在の受験生には対策が難しいですが、現在の高校1年生からは横断的に学習することが学校で出来るようになります。大学入試がゴールであるとは言いませんが、このような大学入試にも恩恵を受ける人もいるでしょう。(他の大学もこのような動きが加速するとは考えにくいですが)このように大学入試においては、未確定な部分も多いので、今後も注目する必要がありそうです。

今回は「歴史総合」という教科について述べてきましたが、課題点や未確定な部分も多い中で始まっているのは言わざるを得ないでしょう。「歴史総合」という教科は、「日本史」と「世界史」を同時に学習することで、つながりをもって学習するよい手段だとは思います。しかし、現場の教員が追い付いていなかったりすれば、学習をする高校生に迷惑をかけることになるのです。どんなことであっても、理想を言うことは誰でもできます。本当に大切なのは、それを実行に移したり、解決する手立てを立てることが必要であり、責任があるものが理想だけ言うのは違うのではないでしょうか。

【参考文献】

歴史総合・共通テスト・サンプル問題 abm.php (dnc.ac.jp)

資料1-2 教科の構成のポイント (mext.go.jp)

(289) 2022年4月から始まる歴史総合を東進で担当の加藤先生に聞いてみた - YouTube

方針転換の重要性

今回は日経オンラインニュースで、気になる記事を見つけた。「秀英予備校、校舎の7割を小型に、集団授業はオンライン」にという内容でブログを書いてみようと思います。

教育業界は、少子化新型コロナウイルス感染の影響もあり、大きな影響を受けている。さらに、自宅で映像授業を見ることもできるコンテンツが充実したことにより、塾・予備校に通うことなく、プロ講師の授業を受けることが出来たり、顧客にはさまざまな選択肢が与えられてようになった。そんな中で、静岡に本社をもつ秀英予備校では、「今後10年で直営校舎の7割を対面の集団授業を行わない小型の校舎に転換を行い、オンライン授業にシフトする」ことを発表したのであった。

このような背景には、秀英予備校が行っているオンライン授業が好調であることや、途中解約率が対面の授業が2~3割なのに対して、オンライン授業は1割以下であるという理由もあるが、地方では校舎の撤退が相次いでいることも背景にはあると、記事では伝えられている。さらに教育業界で働いている私から見れば、集団授業の塾・予備校は、人が集まるターミナル駅に設置するため、家賃が相当かかってしまうため、収益を出すことの難しさもあるのではないだろうか。実際に、塾・予備校業界全体を見ても、校舎閉鎖の動きは少なからずあり、今年度は「駿台」でも藤沢校とあざみ野校を閉校されたり、秀英予備校でも首都圏で言えば「小田原本部校・厚木本部校」が閉鎖されている。秀英予備校は静岡を中核としている塾・予備校ではあるが、対面授業の縮小に対する動きは見受けることが出来るだろう。

そんな中で、秀英予備校のオンライン授業では、ZOOMを使用した授業であるため、生授業を配信するような形で行われ、中学生は1回45分の授業を20回で1万3200円という価格で行うそうです。塾やレベルによって異なる部分もあるが、部活終わりに通塾をすることや学校の授業分数に合わせて授業が行われることを考慮に入れると、1日に45分または50分を1コマとして、2コマ分を授業があるのが標準的であるので、他塾で言えば1教科2ヵ月で1万3200円と考えると、他塾にくらべれば、半分程度の値段で受けれることが可能になるだろう。一方で、スタディサプリのような、さらに価格が安い映像授業も台頭する中で、生徒のフォロー体制など授業以外の強みも重要になってくるだろう。他にも、オンライン授業では、「自宅で生徒が受講するため、保護者からも今まで以上にどのような授業をしているのかを把握されやすくなること」や「対面ではないからこそ、授業の質だけが勝負になること」になる。ここでは、大学受験部で具体的に例を挙げれば、秀英予備校は全国的な質の高いスタディサプリの関先生や堺先生、河合塾の幸長先生などが在籍をしていた。つまり、講師の質を生み出すノウハウはあるはずである。しかし、昨年度で幸長先生は秀英予備校の出講が終了しており、講師の他塾への流入があるのも現状としては課題であるように思える。オンライン授業で求められる、授業の質を担保するために、大学受験部に関しては大きな課題があるのではないでしょうか。

秀英予備校だけではなく、「集団授業」を中核としている塾・予備校は、今後も厳しい状況は続くだろう。その理由には、人が集まることを前提とした授業であり、少子化や顧客がさまざまな種類を選ぶことが出来るようになったからです。そんな中で、生き残るためには、過去に縛られることなく、時代やニーズに合わせて、方針転換も必要であり、おそらく生き残っていくことはできないでしょう。

【参考文献】

秀英予備校、校舎の7割を小型に 集団授業はオンライン  :日本経済新聞 (nikkei.com)