akshota0407の日記

自分自身が書きたいことや伝えたいことを書くブログです。

新たな戦略

教育業界の中でも学習塾業界は、少子化新型コロナウイルスの影響により、厳しい状況が続いているところが多い。私が働いている学習塾でも、4月から授業料や講習の料金が値上げをすることで収益を出している。そんな中で、新規事業などに取り組んでいる学習塾業界に関する記事を見つけたので、今回は書いてみたいと思います。

6月6日の日本経済新聞では、「ベネッセホールディングスが子会社を通じ、東京の中学受験塾に進出する。2024年をめどに4校開くほか、5割出資するお茶の水ゼミナール(東京・千代田)の予備校事業もてこ入れする。」ことが掲載されています。ベネッセホールディングでは、兵庫・奈良・大阪・京都の近畿地方を中心に、進学館をアップが運営してきましたが、首都圏の進出は行っていませんでした。そんな中で、中学受験の人気が高まる社会的な背景も影響をして、2023年2月に渋谷校、2024年をめどに池袋や吉祥寺など3カ所にも教室を開校予定となっている。また、ベネッセとアップが5割ずつ出資し、業績が伸び悩むお茶の水ゼミナールのてこ入れにも着手することが記事では述べられています。どこの塾でもやっていることですが、中学受験というフィールドを新たに設けることで、長く通ってもらう機会をつくり、受験が終わったら塾を辞めるのではなく、継続してもらうことで収益を確保する狙いもあるのではないかと思います。その背景には、学習塾業界がどうしても対象が狭くなりがちであり、大人までを囲い込むことが難しいシステムにあるでしょう。実際にお茶の水ゼミナールは、中高一貫校を対象とした中学生クラスもありますが、中学受験に向けたコースがないため、継続生をより確保することは出来ません。このような背景もあり、中学受験に力を入れる体制を作っていくことで、お茶の水ゼミナールの収益を上げていくことが目的もあるのかもしれません。また、難関中学・高校に合格した生徒は、難関大学にも合格しやすいことからも、仮に授業料を安くしたとしても、合格実績につながるため逃したくないという塾側の運営面もあると思います。どこの塾でも小中高のコースが多くある中で、通信事業が中心だったベネッセもそのような体制を首都圏でも作っていこうという計画なのではないかと見てとることが出来るでしょう。

このような「新たな戦略」として、事業拡大という視点で見てきましたが、少子化の中で「校舎数を増やす動き」もあります。例えば、栄光ゼミナールの高等部である大学受験ナビオでは大船校を7月1日開校することがホームページで公表されています。実は大学受験ナビオは神奈川への進出が顕著であり、昨年度12月に横浜校を開校していたり、新百合ヶ丘校も2年前に開校しており、神奈川に勢力を伸ばしています。もちろん、神奈川にはステップ・臨海セミナー・湘南ゼミナールといった神奈川に拠点をもつ強い塾がたくさんある中で、どのように勢力を伸ばしていくのかも重要になるでしょう。さらに、近年を見ていけば、臨海セミナーが千葉県・埼玉県に勢力を伸ばしており、新規開校も毎年のように行って勢力を伸ばしています。そんな中で、少子化が進み、レッドオーシャンという環境下でどのように顧客を取り込んでいくのかも生き残るカギになるでしょう。

【参考記事】

ベネッセ、東京で中学受験塾 新たな収益源に :日本経済新聞 (nikkei.com)