akshota0407の日記

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立教大学・一般入試(外部利用試験スコア VS 共通テストスコア)

今回は立教大学の一般入試について書いてみたいと思います。こちらの記事をお読みの方は、ご存知の方も多くいるかもしれませんが、立教大学の一般入試は、文学部の1日程を除き、英語は「4技能のスコア」または「共通テスト成績利用」のいずれかを利用するため、大学独自の英語試験は課さずに、国語と社会の2科目を大学独自試験を実施する形で入試が行われます。そんな中で、英語の成績は「4技能のスコア」と「共通テスト成績利用」をどのように換算をしているのかは公表されていないこともあり、大学受験に携わる仕事をしている自分としてはなかなか指導が難しい現状がありました。そんな中で、今回は立教大学が先月に公表した「2024年度一般入試合格者における「英語」の得点状況」を用いて、ここから読み取れる内容と次年度に向けた対策をお話していきたいと思います。

ここからは実際に立教大学が公表した「2024年度一般入試合格者における「英語」の得点状況」の内容を見ていきましょう(リンク先:立教大学 一般入試合格者における「英語」の得点状況)。この資料は解釈をするために注意が必要になる点があるので、何を示しているのかを具体化していくことにしましょう。立教大学が記載しているように、この得点は「一般入試において大学入学共通テストの「外国語『英語』」で合否判定された合格者の最低得点を示しています」とあり、「合格者の最低得点」であることに注意が必要です。つまり、受験教科すべての合格最低点であるので、英語の合格最低点ではないことには誤読をしないように注意してください(=他教科の成績状況も考慮に入れないといけないということ)。さらに、共通テストの得点が4技能スコアではCEFRで表示されているため、具体的なスコアではないことも注意をしておく必要があります。例えば、英検のスコアで何点であるから、昨年度の入試で何点に換算されたかどうかはここからは分からないため、非常に読み取れることは少ないということです。このようなことを留意した上で、公表されたものから読み取れる内容を確認していくようにしましょう。

具体的な話をしていく前に、資料の見方になりますが、リンク先の資料を再度ご確認ください。例えば、人気のある学部の「異文化コミュニケーション学部」であれば、共通テストでは「166点(得点率:83.0%)」でCEFRレベルは「B1レベル」とあります。つまり、ここから読み取れるのは、共通テストの167点はB1レベルに属することは間違えありませんが、B1レベルの上位なのか下位なのかは公表していないので分かりません。また、この得点を成績標準化されるので、実際に何点とされるのかも説明はされていません。このように説明すると、何も読み取れないと言われるかもしれません。しかし、外部利用試験スコアでは多く使う英検という指標で考えると、このように解釈することが出来るでしょう。例えば、英検準1級の合格はCSEスコアで2304点(B2レベル)、英検2級の合格はCSEスコアで1980点(B1レベル)とされているので、異文化コミュニケーション学部の場合は「英検準1級合格のスコア>共通テスト166点」という不等式が成り立つことが言えるでしょう。つまり、異文化コミュニケーション学部の場合、大学が以前に公表をしているように、共通テストの満点が外部利用試験スコアの満点ではないことも考慮に入れると、外部利用試験スコアで高得点を出しておくことが必要になるでしょう。

一方で、「文学部 教育学科」では、「英検準1級合格のスコア>共通テスト123点(得点率:61.5%)」、「文学部  史学科、コミュニティ福祉学部 福祉学科、スポーツウェルネス学部、スポーツウェルネス学科」では、共通テストが「英検準1級合格のスコア>共通テスト130点(得点率:65.0%)」でCEFRレベルは「B1レベル」となっています。この表を見て、今まで私は受験指導で、「立教大学を受験するのであれば、英検準1級合格を目標として勉強をしなさい」と伝えたり、共通テストの得点を利用するのであれば「最低でも80%は欲しい」ということを言っていましたが、異文化コミュニケーション学部のような人気学部を除けば、もう少しハードルを下げてもいいかもしれないと判断できる材料と見ることが出来るかもしれません。

さらに、理学部(理系)を見ると、数学科では、共通テストが「87点(得点率:43.5%)」でCEFRレベルは「B1レベル」、生命理学科では共通テストが「125点(得点率:62.5%)」でCEFRレベルは「B1レベル」と示されている。文系とは異なり、どこの学部においても、学部によって大きな差はありますが、英検準1級を取得してなくても、共通テストで得点をすることが出来れば、挽回が出来ることを判断できるのかもしれません。

このように立教大学は1つの指標となるものが公表されることはいいことではありますが、受験生の多くは「B1レベル」であるため、ここから読み取れることはほとんどありません。立教大学は合格最低点を公表していないことも含めて、入試の不透明性が高いことは問題であるように感じます。今回をきっかけに入試に対する考え方が少しでも改善に向かっていってもらいたいと個人的には思っています。

【参考文献】

mknpps000002va7w.pdf (rikkyo.ac.jp)

立教大学【共通テスト利用入試と一般入試】 - akshota0407の日記 (hatenablog.jp)