akshota0407の日記

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大学入試改革と数学論理

今回は、前回に引き続き「入試突破のスーパートライアングル」を題材に、「大学入試改革」と「数学的な論理と日常的な論理」について書いていきたいと思います。

前回のブログでも紹介をしているが、現代文のテキストでは「複数テキスト」が採用されていたりと大学入試改革を意識した教材で授業が進められている。また、共通テストの英語・現代文では「複数テキスト」で出題されており、大学入試改革の大きな変更点の1つとも言えるだろう。一方で、日常生活に置き換えて見れば、「複数テキスト」という考え方は一般的であり、私たちが何かを調べるときに、1冊だけの本や資料を読むことはない。このように考えていけば、実生活と関連付けられており、重要なのではないかと問題提起をしていました。

現代文・霜先生の授業後には、数学・雲幸一郎先生の授業が続いて行われました。ここでは、身の回りの数学を題材に、入試問題や数学的な論理を捉えるような講義でした。例えば、指数関数と確率、辞書式順列、「感度と特異度」に関する問題を題材にテキストは構成されており、2022年に実際に出題された問題を用いて解説をされました。また、PCR検査の「感度と特異度」に関する問題では、実際にPCR検査の感度(病気にかかっている人の中で陽性と判断される割合)が70%で、特異度(病気にかかっていない人の中で陰性と判断される割合)が99%であることから、PCR検査は感度が低いため陰性証明は出来ないことが導かれました。さらに、テレビのニュースなどの報道では「陽性者数」と「感染者数」という言葉を混ぜており、私たちも一見同じものと考えてしまっていますが、実際には「陽性者数」は、PCR検査で「陽性」となった人数であるため、知ることが出来ます。一方で「感染者数」は定義が曖昧であるため、正確に把握することは出来ません。このように、数学を正しく学ぶことで、世の中を論理的に考えることを可能にするのかもしれません。

しかし、数学は論理的に考える必要がありますが、実生活と異なる部分も雲先生は伝えてくれました。例えば、運転免許の試験でこのような正誤問題が出たときに、あなたはどのように答えるでしょうか。

問1「原動機付き自転車は公道で50km/h以上で走ってはいけない」

問2「夜の道は危険なので、気をつけて運転しなければいけない」

それでは解説をしていきましょう。運転免許試験の勉強をしていない人ならば、問1と問2の両方とも「〇」と答えるのではないでしょうか。確かに論理的には正しいですが、どちらとも「×」が正解となります。その理由は、問1は「50km/hではなく30km/h」、問2は「夜の道ではなく常に」が正解となるからです。この設問を論理的に捉えてしまうと間違えとみなされることもあるのです。つまり、出題者の意図を汲み取ることが必要とされているのです。これを理不尽と捉えることも出来ますが、社会に出れば他者とコミュニケーションを取ったり、論理的に正しいことが必ずしも正解にならないことはたくさんあったり、論理的には説明できない人間の感情が起因することも多くあるでしょう。このように考えると、論理的に正しいことが、必ずしも正解にならないことはあるのではないでしょうか。

最後に英語科講師の大島先生からは、「フランスのバカロレア試験」を題材に、世界の教育についての在り方について説明されました。この試験は、日本の共通テストと同等の位置づけであるが、記述式の試験で「あなたの考え」や「内容一致問題では、引用して根拠を裏付ける問題」や「テキスト会話の続きを作らせる問題」が出題されている。このように見ていくと、どのように公平に採点をするのかという疑問をもつ方も多くいるでしょう。フランスでは、出身高校の先生が採点をする。日本の感覚とすれば、公平に保つことが出来るのかと不思議に思うかもしれないが、フランスではこのような方式を取っている。ここからも分かるように、平等性に対する、価値観は国によって異なることも分かるだろう。話は少し脱線をしてしまったが、フランスと日本の入試を比較すれば、同じ勉強でもゴール地点が圧倒的に異なることは分かるだろう。そんな中で日本が世界と戦っていくためには、教育改革が必要になってくるだろう。現在の高校1年生から学習指導要領が全面改訂され、少しずつ日本の教育も変わろうとしている。果たして、日本の教育が世界レベルまで到達することは出来るのか、今後に期待したいと思います。

そして、講演の最後では大島先生・雲先生・霜先生からメッセージがあり、「囚われないこと」の重要性を伝えてくれました。例えば、雲先生は数学の問題でも、準備は必要であるが過去にやった問題に囚われないことが大切であり、囚われすぎると過去の問題に類似を考えてしまったり、自由に思考することが出来なくなり失敗をしてしまう。さらに、囚われていると、新しい思考に結び付かず、挑戦することが出来なくなる。これは、大学受験だけでなく、よりよく生きていくためにも、広い視野をもつことで、新たな発見が生まれでしょう。最後には、受験勉強でも社会に出てからも、何ごとにも失敗を恐れずに挑戦をする姿勢が大切であり、失敗から学ぶことが大きいことを伝えてくれました。このような話を聞いて、私は「思い込み」や「自分の世界」で無意識に生きている可能性があると考えるようになりました。例えば、インターネットは自分の知りたい情報を取捨選択して見ることが出来ますし、SNSのフォローはまさに自分が欲しい情報だけが得られている仕組みになっている。そうなれば、意識をしなければ「自分の世界」から抜け出すことは出来ないのかもしれません。このように考えると、広い視野をもって、新しいことを始めて挑戦することは、今まで以上に必要となっているかもしれませんね。

【関連リンク】

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