akshota0407の日記

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三大予備校・夏期講習【2023年変更点】

残り1ヵ月もすれば、学生にとってみれば「夏休み」になり、塾・予備校で働く人にとってみれば「夏期講習」という重要なイベントになります。今回は「夏期講習」について、三大予備校(代ゼミ駿台河合塾)をさまざまな角度から比較をしていきたいと思います。実は昨年度に「三大予備校・夏期講習」の記事を掲載しており、「受講料・オリジナル講座・授業の座席」という3つの観点で紹介をしていきました。そんな中でも今年度は、昨年度から大きく変更した箇所があったので、その観点に着目をして「三大予備校の夏期講習」を比較していきたいと思います。

まず変更点の1つ目は「駿台河合塾が受講料の値上がり(代ゼミは変更なし)」です。各予備校の授業時間予備校によって授業時間が異なるため、それぞれの予備校(代ゼミ:90分×4コマ、駿台:50分×3コマ×4日間、河合塾 90分×5コマ)が基本講座の1分あたりの授業料に算出をすると、代ゼミ 38.8円(昨年度:38.8円)、駿台 44.6円(昨年度:38.3円)、河合塾 42.6円(昨年度:41.5円)という結果になりました。昨年度に比べて、1分あたり駿台が6.3円、河合塾が1.1円の値上がりとなっています。塾・予備校業界に限らず、物価が上がっていることを考慮すると、「受講料値上げ」という判断、少子化により、受講者数が減っている理由ことも挙げられるかもしれません。

2つ目の変更点は「代ゼミのテキスト配送が有料(1配送につき600円)」になったことです。予備校の授業は、予習をして授業を受けるスタイルが一般的であるため、事前にテキストを受け取る必要があります。テキストを郵送されると、窓口で待つことも講習前に校舎へ行く必要がないため、スムーズに授業を受けることが出来ます。そんなメリットがありますが、昨年度まで代ゼミ駿台河合塾はテキストが無料で郵送されました(申込が直近になる場合は校舎渡し)が、代ゼミは有料化に変更となりました。予備校業界では、今までは郵送が当たり前だったものが、今回の夏期講習から代ゼミがテキスト配送が有料になったことで、他の予備校もテキストの配送が有料に大きく変わるかもしれません。

3点目の変更点は「河合塾の関東校舎は共通テスト対策講座をすべて映像授業」になったことです。主要校舎も含めて対面授業を設定していないため、かなり極端な変更点と言えるでしょう。一方で駿台の関東校舎は全校舎に「共通テストリスニングの攻略」・「夏の共通テスト現代文」・「夏の共通テスト古典」が設置をされています(※「夏の共通テスト英語」は、自由が丘・吉祥寺を除く関東校舎に設置)。ここから読み取れるのは、駿台河合塾は同じ予備校業界でも考え方は異なっており、駿台は国立大学志望者が対面授業で対策が出来る予備校と示すことにつながり、業界全体でも差別化につながったと言えるでしょう。一方で、業界全体で少子化が進んでいる中で、コマ数が減っている状況で、生徒数を集めることが出来ない講座は設置しないことも経営的な判断も重要だと思います。講座を設置したら、少人数でも開講をしなければいけないため、講座を設置すれば、どのように集客をしていくのかも業界全体の課題であるとも言えるでしょう。

今回は昨年度からの「三大予備校・夏期講習」の変更点を見てきました。3つの変更点から読み取れるのは、業界全体が厳しい状況で、どのように収益を上げていくのかを考えた結果の施策であるように思います。今後も少子化の影響を受ける中で、予備校業界は、大人数が集まる前提の収益構造から、少人数でも収益が出せる収益構造へ変化が求められており、抜本的な改革が必要であることは間違いないです。そんな中で生き残っていくために、それぞれの予備校が施策を打ち出した結果が今回の変更点であるのかもしれません。

 

【関連リンク】

三大予備校・夏期講習 - akshota0407の日記 (hatenablog.jp)