akshota0407の日記

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統計でウソをつく法

私たちは、さまざまな情報の中で暮らしており、その情報が正しいかを判断して、処理することは出来ているだろうか。その情報の「正しさ」は何を基準に判断をしているのだろうか。その基準は「信頼できる人が言っていたから」や「大手企業が調べた調査だから」といった理由なのかもしれません。これから先の社会では、よりたくさんの情報が流通するなかで、どの情報が正しいのかを客観的に判断をして、「統計や情報を正しく理解する力」が重要視されるようになるのではないでしょうか。実際に高等学校では現在の高校1年生から「情報」の授業が始まり、2025年には共通テストでも出題されるようになります。そんな「情報や統計に騙されないために」学習をするべき本として、「統計でウソをつく法」という本を紹介していきます。

まずは、この本との出会いは「入試突破のスーパートライアングル」という授業で霜先生が紹介してくれたことがきっかけでした。授業でも、情報化社会が進む中で、「どのように私たちは情報と向き合わなければいけないのか」や「情報はあくまでも過去のデータに基づいたものであるため、そこから予測することは出来るが、未知のものを生み出すことは出来ない」といった、今後の社会における向き合い方を講義でお伝えしてもらいました。そんな中で、この本は「前者」を理解するためには最適な本であり、この本の特徴は「騙すためにどんなカラクリがあるのか」を具体事例を交えながら説明しているところです(1968年に出版された本であり、翻訳されたものであり読みにくい箇所もありますが)。今回はその内容の一部を紹介してみたいと考えています。

①「サンプルの落とし穴」

例えば「大卒の年間平均所得」に関する調査をしたときに、どのくらい正確に調査をすることが出来るのかを考える必要があることを述べている。この場合の調査方法として、街角でインタビューで調査したり、インターネット上で調査をすることが考えられる。このときに誇張して回答する人だっているだろうし、街角で調査する場合は都心でやるのか田舎にやるのかといった場所や時間帯によっても変わるだろうし、インターネット上で調査するときに転職サイトでアンケートをすれば転職を考えている人(現在の収入に満足していない割合の方が多いことが予想される)が主な対象となる。このように、どのようなサンプルを取るのかによって変わるため、どこでどんな人を対象に調査をしているのかをデータを見るときには必要になるだろう。

②「相関関係と因果関係」

例えば「高卒よりも大卒の方が高収入が得られるのか?」という問いを考えてみよう。日本では大卒の高収入が高いことは言われており相関関係は成り立つが、因果関係は成り立つだろうか。例えば、このような考え方も出来るだろう。そもそも大学に行ける人は、親の世帯年収が高いことが原因であることも考えられて、第3の要因が関係していることもある。このことからも分かるように、気をつけなければいけないのは、相関関係と因果関係は全くもって違うということには注意が必要になるだろう。

③「折れ線グラフを見るときには」

折れ線グラフを見るときには、視覚的に騙そうというトリックがされていることがある。よくあるトリックは、目盛りの幅を小さくすることで、数値が上がっているように見せることで、視覚的に増えているように見せており、都合のように解釈をしてもらおうとしている。他にも、グラフを太線にすることや立体グラフで見せることで視覚的なトリックに騙されている可能性があるので注意が必要になるだろう。

あくまでも一例を紹介しただけであるので、ぜひ詳細は実際に読んでいただければと思いますが、情報化社会が加速化する中で、この本は自分がどのように判断をするべきかの指針になるでしょう。最後に、この本にも書かれていますが、企業が出す調査結果はウソをつくことは許されないので、都合のよい情報だけを流す恐れがあります。そのため、「この情報やデータは本当に正しいのか」を批判的に考えることが、私たちが統計に騙されない唯一の方法になるのではないでしょうか。

【書籍紹介】

統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 (ブルーバックス) : ダレル・ハフ, 高木 秀玄: 本