akshota0407の日記

自分自身が書きたいことや伝えたいことを書くブログです。

早稲田大学 社会科学部・入試改革

先月になるが、2025年度以降に「総合問題」が導入される早稲田大学・社会科学部のサンプル問題が公開された。早稲田大学・社会科学部では、2025年入試から一般入試は、「共通テストと大学独自試験」の併用型に変更となり、共通テストが120点満点(外国語・国語・選択科目がそれぞれ40点)、大学独自試験が120点満点(英語・数学または総合問題)の240点満点となる。そこで、今回は大学独自試験の「総合問題」のサンプル問題(早稲田大学公表)の私が作成した解説をこのブログで公開をして、今後の指針などを述べていきたいと思います。なお問題に関しては、大学ホームページから確認をしてください。(ブログ最後に関連リンクを掲載しております。)

[解答・解説編] (大問1)

問1 (E)    問2 (D)   問3 (B)  問4 (C)  問5 (D)

問6 (解答例) 白人と黒人が別れて暮らすというパターン (19字) 

(※ 問6は問題の字数を30字以内から20字以内に変更した。)

問7 (1) (A)  (2) (B)  (3) (D)  (4) (C)  (5) (A)  (6) (C)

 

問1  空欄適語挿入問題(3点)

空欄①の選択肢は大きく2つに分けることが出来て、「似ている」という言葉の「酷似(「区別がないほど似ていること」)」・「類似」と「似ていない」という言葉の「対立」・「相違」・「対比」に分けられる。空欄①の後ろに着目すると、「例えば、黒人という社会的カテゴリーは、黒人とそうでない人」と具体例があり、空欄には「似ていない」という方向性の選択肢を入れることから、(C)・(D)・(E)のいずれかになる。

次に空欄②の選択肢は意味で分類をすると、「補完的(=足りないものを補う状態)」と「相補的(=互いに補っている状態)」、「閉鎖的」と「排他的(=自分たちの仲間以外を遠ざけようとする状態)」、「依存的」の大きく3種類に分けることが出来る。空欄②の直後では、「カソリック教徒でありかるプロテスタント教徒の成員はあり得ない」とあり、社会的カテゴリーでは、自分たちと異なる成員が属するのはあり得ないことが読み取れるので、選択肢には「閉鎖的」または「排他的」を入れることになるので、選択肢は(A)・(E)のいずれかになる。以上のことから、空欄①と②で適切なものは(E)なので、(E)が正解となる。

 

問2  内容理解選択問題(3点) 

第5段落では「最小集団パラダイム実験では、第2の課題では、2人の他者(内集団成員または外集団成員)に13の数字対の中から1つを選択して、2人の個人に与えたいと思う点数対(金額)を示さなければならない。」と述べられており、問2は具体的な事例を選んだ根拠と結びつける問題である。

(A) 内集団成員に7(↔外集団成員1)で内集団成員の方が、利益が大きいことから本文は正しい。

(B) 内集団成員の12(↔外集団成員11)で内集団成員の方が、利益が大きいことから本文は正しい。

(C) 内集団成員の13(↔外集団成員13)で内集団成員・外集団成員の利益は等しいので、公平性を重視するという本文は正しい。

(D) 内集団成員の14(↔外集団成員15)で外集団成員の利益の方が高いことから、本文の「外集団の利益が小さい」は不適であることから、(D)が正解となる。

(E) 内集団成員の19(↔外集団成員25)であり、13の数字対で内集団の利益と外集団の利益が最大であることから、本文の内容は正しい。

 

問3 内容一致問題(3点)

第5・6段落では、「最小集団パラダイム実験」は、「第1の課題では、呈示される対の刺激の二者択一選択肢からどちらかを選択判断をして(例えば、「クレーの絵」と「カンディンスキーの絵」のどちらが好きか?)、この結果に基づいて、内集団成員と外集団成員を決めて、内集団成員と外集団成員に13の数字対の中から1つ選択するときに、内集団成員の利益よりも外集団に打撃を与えること」が述べられている。以上のことから、「内集団成員と外集団成員の決め方は、意図的に決められるわけではなく、無作為に決められること」になるので、「ほとんど属性の変わらない」が言い換えであり(B)が正解である。

(A) 「内集団利益を追求する個人を2つの集団に分割」は不適であり、第1の課題で分類をするが、「内集団利益を追求する人(追求しない人)」で分類をしていないため不適である。

(B) 「ほとんど属性の変わらない」とあり、第1の課題は、「クレーの絵」と「カンディンスキーの絵」のどちらが好きか?」という質問によって分類をされ、属性は大きく影響をしていない中でも、内集団成員の利益よりも外集団成員に打撃を与える」ということから、(B)が正しい。

(C) 「権威主義的な個人を2つの集団に分割」は不適であり、第1の課題で分類をするが、「権威主義的な個人(ではない個人)」で分類をしていないため不適である。

(D) 「差別的な考え方を持つ個人」は不適であり、第1の課題における分類で、「差別的な考え方を持つ個人(持たない個人)」で分類をしていないため不適である。

(E) 「利害の対立する2つの集団」は不適であり、第1の課題における分類で、「利害関係がある人(関係がない人)」で分類をしていないため不適である。

 

問4 下線部内容理解選択問題(3点)

本問は「エージェント(=当事者に代わって物事を処理したり、意思表示をしたりする人(=代理人))が意図していない現象が起きる例」を選ぶ問題である。言い換えれば「代理人が意図していない現象が起きる例」を選べばいいので、選択肢(C)は「代理人は、株を購入するときは暴落することを意図しておらず、株を売るときには急騰することは意図していない」。以上のことから、(C)が正解となる。

 

問5 下線部内容理解選択問題(3点)

ルール3から「居心地が悪く感じる人」の定義は、「自分の周囲(縦・横・斜の区画)にいる他者のうち過半数が自分と異なる人種であるとき」と述べており、図1のように「ある白人の居心地が悪いことで転居をした場合」を考える。このとき、白人が転居することで黒人の影響は以下の2パターンである。

(a)「ある白人が移動することで、ある黒人の居心地が悪くなる」(黒人は移動する)

(b)「ある白人が移動することで、ある黒人の居心地が悪くない」(黒人は移動しない)

→ この2パターンは、周期的ではなく状況に応じて変動わることから、「増減を繰り返す」ことになる。

また、本文では、最終状態では人種隔離が発生することから、居心地の悪い人はいなくなるが、本問は「どう変化する」という設問であることから、「減少する」に言い換えられることが読み取れる。以上のことから、「増減はするが減少傾向で、最後は必ず減少する」という選択肢(C)が正解となる。

 

問6 空欄適語記述問題(4点)【問題文変更】30字以内 → 20字以内

問題文Bの最終文では「ABM研究の成果として、どのようなパターンが生まれるかを予測することは可能である」と述べられている。また、「図1の(C)と図2の(C)を比較すると、黒人と白人の分布が隔離されていること」が読み取れる。以上のことから、「白人と黒人が別れて暮らすというパターン(19字)」が正解となる。答案のポイントは、「白人と黒人が別れて暮らす」という内容が含まれていることが絶対条件である。なお、早稲田大学が公表したサンプル問題では30字以内としているが、本問の空欄を埋めるためには余分な箇所が多く含まれてしまっていることから、20字以内に変更をした。早稲田大学が公表している解答例は「白人と黒人が別れて暮らすというマクロなパターンそのもの(27字)」である。

 

問7 内容理解記号選択問題 (2点×6 = 12点)

(1) 最小集団パラダイム実験では、第6段落で「内集団の利益を最大化しようとした」と述べられていることから、「自分と同じカテゴリーの人を優遇している」ことに言い換えられるので(A)が正解。

(2) 隔離モデルでは、第5段落のルール2では「自分の周囲にいる他者のうち過半数が自分と異なる人種だと、自分が少数派だと感じ、居心地が悪くなる」と述べられているので、(B)が正解。

(3) 選択肢の「自分と属性の異なる他者を嫌う」は、どちらにも記述がないので、(D)が正解。

(4) 最小集団パラダイム実験では、第6段落で「内集団の利益を最大化しようとすること」・「外集団に打撃を与えること」を述べており、「自他の所属集団を気にして行動していること」が読み取れる。また、隔離モデルにおいても、第5段落で「自分が近隣の中で少数派になることを嫌がっている」と述べていることから、「所属集団を意識していること」が読み取れる。以上のことから(C)が正解。

(5) 最小パラダイム実験では、第6段落・最終文で「利益の大きさよりも外集団に打撃を与えることが重要であった」と述べており、「自分と異なる集団の成員を攻撃する」ことが読み取れるので、(A)が正解。補足説明になるが、隔離モデルは第5段落で「異なる人種の隣人が住むことを嫌がっているのではなく、自分が少数派になることを嫌がっている」と述べられているので、「自分と異なる集団の成員を攻撃する」には当てはまらない。

(6) 最小パラダイム実験では「内集団と外集団」、隔離モデルの例では「白人と黒人」のように、自分と他者をカテゴリー化していることから、(D)が正解となる。

 

[解答・解説編] (大問2)

問1 (B)   問2 (E)   問3  (A)   問4 (C)  問5  (B)  問6 (E) 問7 (D)

問8  温暖化対策の国際的な取り決めを話し合うときには、貧困層比率に着目をする必要がある。実際に、貧困層比率が高い国ほど、CO2排出量の多くは生計用であるため、削減することは難しいが、貧困層比率が低い国では排出量も多く、工業活動で排出している。その結果、温暖化の被害は、貧困層比率の低い国に大きな被害をもたらしている。以上のことから、被害をもたらしている貧困層比率が低い国には費用を大きく負担するべきである。(198字)

 

問1 空欄文挿入問題(3点)

筆者は2段落・4段落では、「すべての温室効果ガスのすべての発生源で費用効果を計算することを批判しており、生存に不可欠の用途(=死活的なニーズ)とそうでない用途(=本質的で緊急のもの)を分けて考える必要があること」を述べており、この内容を言い換えたのは、選択肢(B)が正解である。(※他の選択肢は、(A)「社会的価値と個人的ニーズ」を本文では対比していないので不適、(C)「特定の地域を融通する」という内容は本文に書かれていないので不適、(D)「支払意志額の有無で区分けをする」は本文で述べていないので不適、(E) 「温暖化の影響の優先順番」を考えることは、述べていないので不適。)

問2 空欄適語補充問題(3点)

空欄②を含む段落では、「「何千ヘクタールの水田を除去すること」と「GHG排出削減を企業単位燃費の基準を設けること」の経済的費用を述べているが、経済的費用は前者の方が少ないことになるが、水田を除去することで食糧問題につながることもあり、単純に経済的費用だけで比較することは難しい。」と述べている。以上のことから、空欄②には「少ない」を入れることになる。また、空欄③には、空欄の直後では「食糧の場合には、生命が可能となるかどうかを左右する効果がある」と述べられており、「食糧生産」を入れることになる。さらに、空欄④の直前には、「2つの相異なった手段(「水田を除去すること」と「GHG排出削減を企業単位燃費の基準を設けること」)が仕える目的」とあり、ここで述べられている目的は、本文の主題は「GHG排出量を削減すること」である。以上のことから空欄③には「GHG排出量」を入れることになる。(※ 化石燃料は本文で述べられていない)よって、(B)が正解となる。

 

問3 下線部理解選択問題(3点)

下線部の直前では、「比較可能な重要性のあることが事柄を取り扱っている限り、最小費用を第一とする原理に従う」と述べられている。さらに、4段落の後半では、「「水田を除去すること」と「GHG排出削減を企業単位燃費の基準を設けること」は「多面的に考える必要があるものは、単純に比較可能ではないこと」を述べている。このようなことを踏まえた上で、選択肢に着目すると、(A)が正解となる。

(A)「250万円の利益をあげる100万円のシステムを導入するプラン」・「450万円の利益をあげる150万円のシステムを導入するプラン」は比較可能であり、最小費用(本問では初期投資)を基に、「150万円のシステム」を採用したことが述べられいるので、(A)が正解となる。(※ 最小費用は具体的に定義されておらず、比較して「100万円のシステム」は利益率が高いことから、本文が不適という解釈をしないように注意。)

(B) 本文で述べられている最小費用では、「ある物とある物」を比較した上で、最小費用を第一とすることから、選択肢(B)は比較をしていないことから不適。

(C) 最小費用の費用ではなく、価値の比較をしていることから不適。

(D) かかっている費用は変わらないので不適。

(E) 最小費用を第一とすれば、生涯獲得賃金が高い「高卒」を選ぶので不適。

 

問4 本文主旨把握選択問題 (3点)

第6段落では、「工業関連と工業無関連というドレネンの仕切り方は、実際上は最善に近いだろう。すなわち、農業での大半の排出量は恐らく生計用であり、工業での多くの排出量はそうでない。」と述べられている。本文全体においても、「生存に不可欠でない用途( [例] 工業関連と工業無関係、必要物と奢侈品)に着目をして、GHG削減することが重要」であると述べていることから、選択肢(C)が正解となる。

 

問5 本文主旨把握選択問題+内容理解問題 (3点)

問4と同様に「本文主旨」に基づいた設問ではあるが、「CO2排出量取引市場」があったと仮定して、どのようなことが起きるのかを考察する思考力を問うような出題である。まずは、本文の主旨は、「すべてのGHG排出量を減らすのではなく、生存に不可欠でない用途を削減することが重要」であるので、「CO2排出量取引は用途に応じた評価をしないので、適していない」ことになるので、選択肢(B)が正解となる。なお選択肢は(A)・(C)・(D)は「本文の主旨」と異なっていることから不適であり、(E)は「排出量取引市場にはメリットとデメリットがある」は正しいが、「温暖化対策」は本文に述べられていないので不適。)

 

問6 グラフの読み取りと本文理解問題(3点)

縦軸を「GHG排出量」、横軸を「ニーズ」とした「グラフ」。本文では「生存に不可欠でない用途( [例] 工業関連と工業無関係、必要物と奢侈品)に着目をして、GHG削減することが重要」と述べているので、このグラフの「ニーズ」が高いものは「優先される」ことが読み取れる。本問は、グラフの読み取りだけではなく、本文の内容理解も含まれている設問であるので、注意をしておきたい設問である。

(A)「ニーズをGHG排出量に常に勝る評価基準」であることから、「ニーズが高い順」に並べて、それでも比較が出来ないときは「GHG排出量の高い順」に並べたときに、制限されるアクティビティの順序を考える。並べると、(C) → (A) → (B) → (F) → (D) → (E)となるので、3番目に制限されるアクティビティは(B)であることから、選択肢は正しい。

(B)「GHG排出量をニーズに常に勝る評価基準」であることから、「GHG排出量が高い順」に並べて、それでも比較が出来ないときは、「ニーズの低い順」に並べたときに、制限されるアクティビティの順序を考えると、並べると、(A) → (B) → (C) → (D) → (E) → (F)となるので、3番目に制限されるアクティビティは(C)であることから、選択肢は正しい。

(C) 第1段落では、「GHG排出削減に関する包括的条約は、各国がGHGのすべての使用を見て、排出量を削減する」と述べられており、ニーズに関係なく排出量が大きいものを優先して制限するので、BよりもAの方がGHG排出量は多いことから、Bよりも先にAが制限される選択肢は正しい。

(D) ドレネンの考える基準では「ニーズが高いものよりも低いものが削減される」ことから、FよりもEの方が「ニーズが低い」ことから、Fよりも先にEが制限されるので、選択肢は正しい。

(E) 本文の主旨は「GHG排出量よりもニーズが重視される」ということから、DとFではDの方が「ニーズが低い」ことから、アクティビティの制限はDの方が優先される。よって、「DとFの制限順序は評価バランス次第」であるが不適であることから、選択肢(E)が正解となる。

 

問7 表・グラフの読み取り (3点)

図2のグラフは「1人当たりのGDPが高い国では、1人当たりのCO2排出量が多い傾向がある(正の相関関係)」があることが読み取れる。また、図3のグラフは、「1人当たりのGDPが高い国では、10万人当たりの気象災害の影響を受けた人数は少ない傾向がある(負の相関関係)」であることが読み取れる。さらに、2つのグラフを組み合わせると、「一人当たりのGDPが少ない国は、10万人当たりの気象災害の影響を受けた人数が高いこと」…① が読み取れる。以上のことを踏まえて、選択肢に着目すると、(D)「気候変動のリスク低減及び生じた被害への対処を必要とする国は(=10万人当たりの気象災害を受けた人数)、一人当たりの所得が低く経済的な余裕ない(=1人当たり実質GDP)傾向がある」は、①の内容を言い換えており、(D)が正解となる。以下は他の選択肢が不適な理由を述べておく。

(A) 図2と図3を組み合わせた「①」から、「国民の平均的な豊かさが中程度の国が被害規模が最も大きい傾向である」は不適であり、「被害規模が大きいのは、1人当たり実質GDPが少ない国」である。

(B) 図2と図3を比較すると、図3のグラフ(「気候災害の影響を受けた人数」)の方が「ばらつきが大きい」ので、「気候被害の規模に比べると、CO2排出量はばらつきが大きい」は不適である。

(C)「1人当たりの経済的豊かさが比較的早いペースで伸びていく傾向」と述べているが、時間軸がグラフにないため、読み取ることが出来ないので不適。

(E)「GHG排出の規模」という記述は、グラフでは「CO2排出量」となっているので不適。

 

問8  論述問題(8点)

問題文の条件から、「本文(主題)」と「図2~図4」の両方で述べられている内容を記述するので、本問の配点も「それぞれの観点で記入されているかどうか」を踏まえながら、解説を述べていくことにする。

①「本文(主題)」

本文では、ドレネンが提唱した「貧困層にとって必要物に影響する費用と、裕福層の奢侈品に影響する費用は分割するべきである。(第4段落)」に筆者は賛成で、すべてのGDP排出量を減らすのではなく、「「工業関連」と「工業無関連」に区分けをして、「工業無関連」は生存のために必要な生計用であるから、「工業関連」のGHG排出量を減らす」ことが大切であると述べており、この内容を答案に記述する。

②「図2~図4」

図4から「GDPが低い国は貧困層比率が高い」ことが読み取れる。この内容を図2と図3に言い換えると、図2は「GDPが高い国(=貧困層比率が低い国)はCO2排出量が多い」、図3は「GDPが低い国(=貧困層比率が高い国)は気象災害の影響を受けやすい」と言い換えることが出来るので、これらの内容を用いて答案を作成することになる。(※ 問題文の条件ですべての図を使って説明をしなさいとは記述されていないので、「温暖化の取り決めについて200字以内で論じる」設問であるが、字数が200字であることからも「図2」と「図3」の両方に触れる必要があるだろう。)

[解答例]

  温暖化対策の国際的な取り決めを話し合うときには、貧困層比率に着目をする必要がある。実際に、①・② 貧困層比率が高い国ほど、CO2排出量の多くは生計用であるため、削減することは難しいが、貧困層比率が低い国では排出量も多く、工業活動で排出している。その結果、③ 温暖化の被害は、貧困層比率の低い国に大きな被害をもたらしている。以上のことから、被害をもたらしている貧困層比率が低い国には費用を大きく負担するべきである。(198字)

[予想採点基準] 

①「「工業関連」と「工業無関連」に区分けをして、「工業無関連」は生存のために必要な生計用であるから、「工業関連」のGHG排出量を減らす」ことを明確にするべきである」(本文)→ 4点

②「貧困率が高いほどCO2排出量が低い」(図2と図4のマトリックス)→ 2点

③「貧困率が高いほど環境被害が大きい」(図3と図4のマトリックス)→ 2点

※ 誤字・脱字などは減点対象として、1箇所につき1点減点。

[予想配点] (60点)

大問1 (31点満点)  問1~5  3点×5 = 15点、問6  4点、問7 2点×6 = 12点

大問2 (29点満点)  問1~7  3点×7 = 21点、問8  8点

早稲田大学は問題と解答のみの公開ではあるので、配点などまでは分かりませんが、60分でこの量となると問題数は多い印象です。実際には「現代文」のチカラをメインとした出題で、本文を踏まえて「思考力」を問うような出題が見受けられます。しかし、実際には現代文の延長線上にあるような印象です。それに加えて、200字の論述が出題されていますので、論述を書く練習も秋以降から対策をしていき、「表・グラフの読み取り」や「複数テキスト」の出題は、総合問題の定番の出題もあるので、そのような問題に慣れておく必要はあるでしょう。対策としては、現代文プラスの勉強で十分と言えるでしょう。また、早稲田大学政治経済学部が総合問題の出題になったときにも、サンプル問題は2回大学が公表しているので、今後さらに公表される可能性もありますので、出願を考えている人は要チェックと言えるでしょう。

【関連リンク】

2025年度以降の社会科学部一般選抜における総合問題のサンプル問題公開について – 早稲田大学 社会科学部 (waseda.jp)

早稲田大学・2025年大学入試改革 - akshota0407の日記 (hatenablog.jp)

2025年度入試以降・慶應義塾大学 - akshota0407の日記 (hatenablog.jp)