akshota0407の日記

自分自身が書きたいことや伝えたいことを書くブログです。

予備校業界の新たな戦略

このブログでは予備校業界に関する記事を掲載してきました。そこでもたびたびお話をしてきましたが、業界全体として少子化・現役志向の強まり・入試の多様化により、厳しい状況が続いているのは間違えないでしょう。そんな中で、予備校業界では、新たな戦略として、生涯教育にチカラを入れる戦略を代ゼミ駿台で打ち出しました。今回は「予備校業界と生涯教育」というテーマでブログを書いていきたいと思います。

まず、最初にみなさんは「リカレント教育」という言葉を聞いたことがありますか。私の記憶では、数年前に少し話題になった言葉であると思います。リカレント教育とは、一言で言えば「大人の学びなおし」のことであり、正確には「学校教育終了後に社会に出てからも教育が受けられる教育」のことを指しています。日本の場合は、大学を卒業した後は就職をして仕事に就いてしまうと、学びなおしが出来ないのが現状です。このような現状からも分かるように、2014年のOECDによる調査で、通学等での学びなおし(リカレント教育)を行っている人は、日本の割合は2.4%となっており、OECD平均値の11%と比較して大きく下回っており、データが利用可能な28か国中で最も低い水準という結果になりました。このデータからも分かりますが、日本は世界の中でも「リカレント教育」が遅れている国であり、このような現状は社会構造が物理的に難しい状況になっていることも原因であるのかもしれません。そんな中で、時間の制約などが厳しい状況の中でも、教育を受けることが出来るような講座を提供を始めているのが「予備校業界」でした。予備校業界にとっても、少子化が進む中で、高校生・高卒生のみ対象では限界であったため、生涯教育という幅広い対象の分野で新たな戦略を稼働させることになったのです。

それではここからは本題である「予備校とリカレント教育」について述べていきたいと思います。今まではリカレント教育について述べてきましたが、大学などに行って継続的に学ぶイメージが強いと感じた方が多いと思いますが、予備校は「教養」や「短期集中講座」として開講をする動きがあります。ここからは実際に「代ゼミ」の教養講座をご紹介していきましょう。代ゼミの場合は、映像授業の教養講座があり、「世界遺産から学ぶ地理・世界史・日本史・生物・地学」や「化学で温泉を100倍楽しくする講義」などの講座を1テーマ15分で228テーマあり、教養を深めるコンテンツが充実をしております。また、年額3300円で視聴が出来るので、映像授業であるため自分の空いている時間に、費用面も抑えられており、かなり魅力的なラインナップになっております。他にも、この教養講座とは別に4月には「コーヒー講座」を開講し、コーヒーを「生物・化学・地理・世界史」の観点から学習をするのと同時に、コーヒーの飲み方や入れ方などをキーコーヒーの担当者から知ることが出来る講座になっています。この講座も1講座15分で12コマ完結の授業で3300円で受講が出来るのは、(料金面でも時間面でも)無理なく受講することが出来るのが「大人の学びなおしや教養」を促進していくためには、大切な観点とマッチしたものになっています。

このように「大人の学びなおしや教養」がブームになっている中で、先月には「駿台」は「大人の教養講座」を開講することが発表されました。この講座は、原則2日間完結の講座であり、例えば駿台英語科講師大島先生が担当する「学びの散歩道  勉強はとても楽しい(万人向け講座)」や駿台生物科講師大森先生が担当する「高校生物☆今昔物語(高校生物→最先端生物)~昔はこう習ったけど、今はこうなっているんだ!~」という講座などがあります。また、予備校講師だけでなく、駿台観光&外語ビジネス専門学校や外部講師による講座もあり、さまざまな専門性をもった講師が授業をされることになっています。駿台の初めての取り組みでもあり、おそらく駿台も試行錯誤中であると思われます。上手くいけば、次年度や冬期などに実施することになるかもしれないので、今後の動向にも注目していきたいところです。

このように「予備校と生涯教育」は新たなフィールドであり、少子高齢化や浪人生が減少する中で顧客層を増やすことは正しい方向性と言えるでしょう。しかし、そんな中でどのように訴求をさせていき、利益を出していくのかを考える必要があることは間違えないでしょう。厳しい状況が今後も予想される業界の中で、「大人の学びなおしや教養」は新たな戦略として、予備校の救済につながるのかは注目すべき内容であるでしょう。

 

【関連リンク】

教養講座Plus|教養・実学|代ゼミ教育総研 (yozemi-eri.com)

コーヒー|教養・実学|代ゼミ教育総研 (yozemi-eri.com)

2023-summer-seminar.pdf (sundaidenshi.ac.jp)