受験シーズンが近づく中で、入試問題の分析に焦点を当てた記事を何回かに渡って書いていこうと思う。主に、難関大学の英文法・語法を中心に研究をしていきたいと考えています。今回は、慶應義塾大学・商学部で毎年出題されている語形変形問題について、考察をしていくことにします。
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次の英文を読み、空所( a )~( e )に入る文脈の上で最も適切な動詞を下記の語群から選び、必要に応じて語形を変えて記入しなさい。ただし記入する語は動詞一語のみとし、同じ語を二回以上使ってはいけない。同じ語を二回以上使って場合、正解が含まれていてもその正解は得点にならない。
Last month, the Indian city of Delhi ( a ) up a drastic two-week experiment to reduce car emission by ( b )road use to odd-numbered or seven-numbered license plates on alternate days. When the local government announced the scheme in December, many ( c ) it would not work. Yet it seems to have been a striking success. With police out in force to ( d ) fines on violators, few ignore the ban. Moreover, the residents are now so accustomed to this rule that it will hardly be ( e ) in the upcoming elections. Public transport is more crowded, but drives are delighted to find traffic much lighter.
[語群] feature impose predict restrict wrap
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[解説]
(a) wrap A up = wrap up A「Aを終える」(難熟語) → 消去法で解く
文頭にlast monthがあるので、過去形のwrappedにするべき。
(b)文意から「道路の使用制限することによって」より、選択肢のrestrictを選び、前置詞
の後ろから、動名詞にするべきである。
(c) [文構造] many (省略[people]) [ c ] [(that節) it would not work.]
→「多くの人々は機能しないことを予期していた」(文脈)
→ 時制はannouncedと過去形なので、predictedが正解。
(d) 文意も考えなければいけないが、後ろにonがあることから、
impose A on B「A(義務・罰など)をBに課す」となり、不定詞の後ろであることから、
動詞の原形であるimposeが正解になる。
(e) この問題から解答を決めることは難しいが、(b)~(d)を解いた上で解けるのならば、
feature「~を取り上げる」の選択肢を使うことになり、受動態であるのでfeatured
にするべきである。
[解答] (a) wrapped (b) restricting (c) predicted (d) impose (e) featured
[講評]
この問題では、選択肢の個数も少なく、文意を掴むことが出来れば、どこに何を入れるかは決めやすいだろう。また、wrapは消去法で(a)に入ることが決まり、文構造から判断して、動詞の過去形とすれば、完答も可能かもしれない。(b)~(e)は現段階で完答をしなければいけない問題である。さらに、動詞を入れる問題は、設問2で扱う名詞を入れる問題よりも、時制・助動詞・受動or能動に注目すれば、入れるものが特定されやすいので、点数は取りやすいだろう。一方で、思わぬ失点には注意が必要である。